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先発医薬品を希望される際の負担(選定療養)について

後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)の選定療養  について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_39830.html

厚生労働省の方針により、2024年10月より患者さんのご希望により先発品を使用される場合に選定療養(健康保険の対象外となる自己負担)が発生することになります。詳しくは厚生労働省のホームページをご参照いただければと思いますが、皮膚科に関係するところについて、少しご説明してみたいと思います。

日本臨床皮膚科医会からも以下のような説明が発表されております。

皮膚科で最もこの制度に関係してくるのは「ヘパリン類似物質」いわゆる「ヒルドイド」になります。保湿剤として老若男女問わず広く使われている、ある意味良いお薬です。ヒルドイドソフト(油性クリーム)、ヒルドイドクリーム(水性クリーム)、ヒルドイドローション、ヒルドイドフォームといろいろな形(剤形)があります。

ヒルドイド製品情報

https://www.maruho.co.jp/medical/products/hirudoid/index.html

余談ですが「ヒルドイド」の名前は主成分であるヘパリン類似物質が蛭(ヒル)の唾液腺に含まれていることに由来しています。そんなこと聞くと使うのが怖く・・・はないのでご安心ください。またよく「ヒルロイド」と呼ぶ人も多いのですが、ヒルドイドが正しいです。

ヒルドイドを患者さんのご希望で先発品を希望される際にかかる負担について、仮に100gの処方であれば保険や小児医療等によっても細かく変わりますが、大体250~350円ぐらいの追加負担になります。この計算はかなり複雑になりますので、診察中に詳しくご質問されるのは、時間の制約上できればご遠慮いただけると助かります
基本的には、患者さんが先発品を希望される場合は、選定療養をご負担いただくとお考えください。

今回初めての試みということで、「差額の1/4を自己負担とする」と決まりましたが、高齢化が進む日本の医療において、医療費の増加を抑制する目的で始まったこの制度は、おそらく今後拡大していくものと予想されます。いずれ後発品との差額全額が自己負担となる可能性もある、と予想されています。

財務省や厚生労働省の方針により、医療費の増加を抑制しようということで薬価(お薬の値段)を下げすぎた結果、多くの薬剤の製造販売がストップして流通しなくなっているようなことも起きており、今後治療する側として、また治療を受ける側としてどのようなことを気をつけていかなくてはならないのか、当院でもまた、機会がありましたらご説明させていただこうと思います。

個人的には、「うまい棒」が12円から15円に値上がりするのに、痛み止め・解熱鎮痛薬として広く使われている「ロキソプロフェン」が10円まで値段を下げられている、ということに違和感を禁じえません。

皆様のご協力、ご理解をよろしくお願いいたします。

 

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