information h1

電話をかける

ブログ

ブログBLOG

皮膚科の強敵、待ち時間に共に立ち向かうには

皮膚科と言えば待ち時間
と言われるぐらい混んでいる皮膚科が多いのですが、今回はその待ち時間を私たち皮膚科クリニック側と、患者さんが協力して対処するには、というお話です。
まず前提条件として、クリニックは1日に7~8時間診療していることが多いです。当院【和光みんなの皮膚科】も10時~13時、15時~19時と平日は1日7時間、土曜日は9時30分~13時と3時間半の診療を行っています。
当院では順番待ちシステム「まちみる」を導入し、どこにいてもご自身の順番を確認できるようにしておりますのでご活用ください。

お一人にかけられる時間は、来院される患者さんの数で決まる
お一人の患者さんに振り分けられる時間は、単純に考えるとその時間を来院された人数で割ることになります。1日70人であれば1時間10人、1人6分になります。「最近、1日に何人来ているのか?」という具体的な来院患者さんの数については言及を避けますが、最も混み合う土曜日であれば一人2分取るのが厳しいときもあります。これが皮膚科クリニックのよくある事情かと思います。
土曜日の外来は必ず混雑します。土曜日しか来られない、という方は仕方ありませんが当院は平日19時まで診療しており、平日の平均待ち時間は長くても30分前後です。なんとかお時間を取って平日に来られるならその方が快適かと思います。

「1分」の重要性
もし仮に100人の患者さんが来院され、一人あたりの診察時間が1分伸びた場合、診察終了は100分伸びることになります。一人1分といえば少ないように感じられますが、100人の患者さんに加わる待ち時間は1人めが1分、100人目が100分で平均で50分x100人=合計5000分の待ち時間をみなさまがご負担することになると考えれば、その1分がとても大事なものであることはご理解いただけるでしょうか。

和光みんなの皮膚科の工夫
そんな混雑する診療の中、当院では医師とスタッフで協力して待ち時間をできるだけ少なくする工夫を重ねております。開院当初からなるべくお待たせしないための院内レイアウトを考慮して設計しましたし、おかげさまで院長の手際の良い診察と、明るく優しい看護師、事務スタッフ、そして何よりお越しになる患者さんのご協力により多くの方にご利用いただけるようになりました。必要な診療に1分を捻出するために、無駄を省いて1分1秒を節約しようと努力しております。

予約制にしないの、という質問
多くの患者さんにご利用いただけるようになって「予約制にしないのか」というお声もいただくようになりました。予約ができればお待たせすることなく診察を受けることが出来て時間が有効に使える!とは誰もが想像することかと思います。
実は、あまり大きな声では言えませんが予約制にしてメリットがあるのはクリニックの側なのです。予約制にすることで比較的空いていて「無駄」になっている時間帯も有効に活用することができます。来院される患者さんの人数をコントロールすることができ、診療を担当するスタッフの数もあらかじめ決めることができます。スタッフの忙しさや残業も抑えることができるのです。
そしてわざわざ事前に予約して来院される患者さんは平均すればより几帳面で、普段のスキンケアもしっかりされる傾向にあります。言ってしまえば「良い患者さん」が集まることにもなり、そういった意味でも診療はしやすくなります。
なので本音を言えば、予約制を取り入れたい、と思っているクリニックは多く、実際に完全予約制にしているクリニックも多くあります。当院もスタッフのためを考えると予約制の方がいいのかもしれない、と考えることもあります。

予約制にした場合の弊害
では、予約制にした場合にどのようなデメリットがあるのか、ということも考えてみましょう。
まず予約できる人数をオーバーした場合、患者さんをそれ以上診察することはできなくなってしまいます。急な変化で診察してほしい、と患者さんが感じても、診てもらえない、ということは経験された方もいらっしゃるかと思います。逆に予約外の患者さんをお引き受けすると、その分予約の患者さんの診察は遅れてしまい「予約の意味がない」と言われてしまうことがあります。
次に、予約が満席になっていると見た目上は「予約がいっぱいで繁盛している」という風に見えます。でも実は診察してほしいと思っていた方が予約できないままでも、予約の一覧表からはわかりません。つまり地域の患者さんの要望に十分応えられているかが分からなくなってしまうという弊害もあります。実際、患者さんの「皮膚科で診てほしいときになかなか診てもらえない」というお声を耳にしたことが「和光みんなの皮膚科」開院のきっかけでもありました。
そして最近の診察予約はインターネット経由が一般的になります。電話での予約はスタッフの負担がとても大きく対応は不可能です。ということはネットでの予約ができない方には診察をご利用いただけない、ということにもなります。
そんなわけで当院は当面予約制ではなく、順番待ちの方針です。和光みんなの皮膚科で診てもらいたい、と願う患者さんのご要望になるべくお応えしていきたいと思っております。
ただし手術など特定の処置は予約制にしております。将来的には美容皮膚科の施術などは予約制を検討しておりますし、今後の状況によっては熟慮の末、予約制を導入する可能性はあるかと思います。今後もみなさまが来院したいときにお越しいただいて治療を受けていただくためにもぜひ、このあとのお願いをお読みいただき、みなさまのご協力を賜りたいと考えております。

みんなの時間を大事に使いたい
つまり、決まった診療時間を患者のみなさんとシェアしているのが外来診療であり、そのシェアされたお一人当たり数分の中には、患者さんをお呼び出しして入ってくるまでの時間、診察してほしい部位を出していただくいわゆる脱衣の時間、その逆で服や靴を着たり、待合いに出ていく時間も含まれています。診療にどうしても必要な時間は無くすことはできませんが、以下のような時間のロスは減らすことが出来るかもしれません。

主に時間のロスが生じている場面
・患者さんをお呼び出しした際にいらっしゃらない・気付いていただけない時間
(当院では、「まちみる」という順番待ち確認システムを導入しています)
・お薬手帳をお忘れになって処方の内容を口頭で確認している時間
ばっちりメイクで来院され、お顔の診察をしてほしいと言われる時間
検査に時間のかかる水虫の検査を診察の最後に「ついでに水虫も」と要望されて対応する時間
・診察が終わって最後に「そう言えばこれも」とお願いをされて再度対応する時間
(カルテを開き直し、会計処理を再度行うため時間のロスが生じます)

お呼び出しについてのお願い
院内でお待ちいただいている患者さんとの公平を期すためにお呼び出しの順番が来た際にご不在であった患者さんは戻られたあと、直近の順番の患者さんの少し後にお呼びさせていただきます。その場合は順番が来ていてもお戻りからしばらくお時間をちょうだいすることになることをご了承ください。
順番待ちシステムまちみる」で自分の順番をご確認いただくことができるようにしておりますので、ご自身の順番はご自身でご確認ください。

患者さんの側でもご協力いただくことで待ち時間が減らせそうな場面
・混んでいない時間帯、特に平日午前中、午後早めを利用する
順番待ちシステムまちみる」で自分の順番をご確認いただく
待合を離れる際は受付にお伝えいただく、戻られた際にもお伝えいただく
(お呼び出ししていらっしゃらない場合、数回お呼び出ししてから次の方をお呼びしています)
お顔の診察を正しくしてほしいときは、メイクを落としてから来院する
(一応、院内にもパウダースペースはありますのでお使いいただくことはできます。当面は道具はご自身でお持ちください)
・診察してほしい部位をすぐ見せられるように診察室内に入ったあとご自身でご用意いただく
・お悩みの要件を端的にお伝えいただく「今日は相談が2件あります!」
使っている薬の名前や用途を答えられるようにしていただく
(無理なら現物をお持ちいただいてもかまいません)
必要な薬が処方されているか、診察中や会計時に確認する
(あとで気づかれると、薬局とのやり取りに時間がかかりよりお待たせすることになります)

といった工夫をしていただくと、患者さんの側でも待ち時間を減らすことが出来るのではないかと思います。
午前中や、午後の早めなど混んでいない時間帯をご利用いただきますと、診察する側にも時間の余裕があります。詳しく聞きたい事がある場合など、あえて都合をつけて賢くご利用いただくことでご自身の納得も得られやすく、治療もうまくいきやすくなるのではと思います。

医師とスタッフの診療分担について
当院は現状、医師は1人、まれに2人で診療しております。診断や手術など医師にしかできないことは医師が担当し、処置や採血は看護師が、その他は看護師を始めとしたスタッフが分担して行います。これを最近では「タスクシフト」「タスクシェア」と呼んでおります。診察に際しては複数の担当者が呼び込み、問診、診察、処置と交代で対応させていただきますがご理解をよろしくお願いいたします。

皮膚科の待ち時間はクリニックと患者さんで協力して克服しましょう
ちょっと思いがあふれすぎて長くなってしまいましたが、皮膚科につきものと言われる待ち時間は私たちクリニックと、患者さんで協力して改善に取り組んでいくことが重要であることがご理解いただけたかと思います。
限られた時間の中で、できる限り皆様のご要望にお応えし、地域に貢献していきたいと考えております。ご理解、ご協力の程よろしくお願いいたします。

 

TOPへ